はじめに:店舗開業に大安を選ぶ魅力は本当にあるの?
店舗集客ナレッジ『ミセナレ』です^^
店舗開業日を決めるとき、「大安にしようかな」と考える人は意外に多いかもしれません。なぜそこまで“大安”が特別視されるのかというと、古くから日本に伝わる六曜(ろくよう)で最も縁起が良いとされてきた日だからです。
しかし本当に大安がベストなのか、それともスケジュールや他の要因を優先すべきなのか。今回は、六曜そのものの意味や六曜を活かした縁起担ぎの方法、さらには大安だけにこだわらない日取りの考え方を、初心者にもわかりやすく解説します。店舗開業という人生の大事な節目だからこそ、迷ったときに背中を押してくれる情報になれば幸いです。
六曜とは?店舗開業でも注目されるわけ
そもそも六曜ってなに?
六曜とは、カレンダー上で日々を六つの運勢に振り分けた暦注(れきちゅう)の一種です。先勝(せんしょう)、友引(ともびき)、先負(せんぶまたはせんまけ)、仏滅(ぶつめつ)、大安(たいあん)、赤口(しゃっこうまたはしゃっこう)の六種類が、順序を変えながら繰り返し登場します。冠婚葬祭や新しいことを始めるタイミングには、縁起が良いとされる日を選ぶ習慣が昔から続いてきました。
六曜を見て日取りを決めるのは、ある意味、古くからの日本人の「縁起担ぎ」そのものです。店舗開業を控えたオーナーにとって、六曜は大きなヒントかもしれません。実際、店舗のオープンセレモニーや広告打ち出しなどが大安に集中するケースも見受けられます。縁起を担ぎたい人が一定数いるのでしょう。
先勝(せんしょう)
「何事も先んずれば勝ち」との意味を表し、午前中が吉、午後2時過ぎからは凶ともいわれます。時間帯によって吉凶が分かれるため、店舗開業日にするならば午前中に開店セレモニーを行うのも一案です。
友引(ともびき)
「友を引く」という言葉通り、慶事にはおめでたい日、ただし葬儀には忌むべき日とされています。おめでたい開業には向いていると考える方もいるため、友引を選ぶ店舗オーナーも存在します。
先負(せんぶ・せんまけ)
先んずれば負けとも読み取れる日で、午前中は凶、午後は吉と伝えられています。大きな行動は避け早まった動きは控えるほうが良いとされることから、開業準備を進める日と考える方もいるようです。
仏滅(ぶつめつ)
六曜の中でも最も縁起が良くないと敬遠されがちで、新しいことを始めるには不向きともいわれてきました。とはいえ「物事が一度ゼロになるので、それ以降は上向きになる」という解釈もあるため、大切なスタートにあえて仏滅を選ぶ人もいます。
大安(たいあん)
六曜の中で最も縁起が良いとされる日で、結婚式や引っ越しなどの慶事が集中する傾向があります。店舗開業で「大安を選んでおくと安心」と感じる方は多いでしょう。費用面で込み合うこともあるため、準備や予約の段階から注意が必要です。
赤口(しゃっこう・しゃっこう)
陰陽道の概念からきたとされ、正午のみが吉、それ以外は凶といわれます。消防関係や医療関係には縁があるなど、さまざまな解釈が残っていますが、一般には好まれない日に数えられるケースが多いです。
六曜は縁起担ぎとしてどう活用される?
六曜が絶対的な決定要因かというと、現代ではそうとは言い切れません。ただ、昔からの習わしとして、特に「大安は吉日」「仏滅は忌むべき日」といった印象が根強く残っているのも確かです。店舗開業においては、周囲の期待感やお祝いムードを高める手段として活用されることが少なくありません。大安に開店すれば、近隣に「縁起の良いお店」というイメージを与えられ、お客様にも「なんとなくいいことがありそう」と思ってもらえる可能性があります。
大安に店舗開業するとどんなメリットがある?
お客様からの印象
大安に店舗開業をすると、「縁起を大切にする人なんだな」という好印象を与えやすくなります。日本人はお祝い事を重んじる気質を持つ方が多いため、大安オープンの情報を聞いて、「そういうところまで気を配ってるんだ」とポジティブに捉える場合もあるでしょう。さらに、新聞のお知らせやSNSの開店告知に「大安オープンです!」と記載すれば、話題性が生まれてちょっとした宣伝にもなります。
イベントや広告展開との相性
グランドオープンやプレオープンなど、店舗開業は何かとイベントづくりが盛り上がるタイミングです。大安を選ぶと、周囲からも「良い日に合わせたのだな」という理解を得やすく、開店イベント自体が華やかなイメージを帯びると期待できます。
ただし、大安は結婚式や不動産の契約など、他の行事とも重なりやすいため、広告やイベントの出来栄えが埋もれないように工夫を施すのが肝心です。特に、取材やメディア露出を狙う日取りは、大安だからこそ一定の競合がある可能性も考慮しておきましょう。
大安以外でも縁起は担げる?
仏滅は本当に良くない日?
仏滅は六曜の中で最も良くないとされる日ですが、一方で「何もないからこそ、新たな始まりに向いている」というプラスの解釈も存在します。特に最近は、仏滅だからこそ費用が安くなる式場やサービスがあったり、イベントホールを抑えやすかったりするといった、実利面でメリットがあるケースも増えています。
店舗開業においても、仏滅はお祝いの混雑が少なく、注目を集めやすいかもしれません。大安に負けないくらいのプロモーションを展開すれば、むしろ人の目を引く絶好の機会になる可能性もあるでしょう。
友引や先負でも上手に活用するヒント
六曜にこだわるだけでなく、その日の意味をうまく取り入れてみるのも一つの方法です。たとえば友引の日に開業する場合、「この店で出会った人たちみんなに幸せが広がる」というメッセージを添えて、SNSで発信するのはどうでしょうか。先負なら「ゆっくりスタートして、長く続く店舗へ」といった形で、ポジティブかつユニークなコンセプトを打ち出すことも考えられます。
こうした縁起担ぎは、古風なようでいて、実は宣伝のアイデアにもつながります。大切なのは日付そのものだけでなく、「なぜその日に開店するのか」を自分の店らしく表現してお客様に訴求することです。
店舗開業の日を決めるときに注意したいポイント
集客やタイミングを優先させる
縁起を担ぐことは大切ですが、平日や週末の来客動向、現場スタッフのシフトや集客イベントのタイミングなど、実務的な観点も見過ごせません。たとえば、特にこだわりのないお客様の場合、大安かどうかより「行きやすい曜日かどうか」のほうがはるかに重要だったりします。
子ども連れなら土曜や休日のほうが好ましい場合が多いでしょうし、ビジネス街であればオフィスが稼働している平日のほうが有利かもしれません。自店のターゲットに合わせて最適な曜日や時間帯を選ぶことは、六曜よりも直接的に売上にかかわる重要要素です。
貸店舗や工事スケジュールとのすり合わせ
開業日を決定するには、物件の引き渡しタイミングや内装工事のスケジュールがスムーズに進むかどうかも大きく影響します。大安に間に合わないほど工事が遅れてしまえば、オープン前に余計なコストがかかるばかりか、スタッフや取引先にも不安を与えてしまうかもしれません。
逆に、仏滅であっても店舗の準備が完璧に整うのなら、そちらを優先したほうが実務的な負担が少なく、初日から安定したオペレーションを提供できるはずです。縁起だけを理由に無理なスケジュールを組むと、開業後に不具合が出て苦労する可能性があるので、一連の流れをよく見極めることが重要といえます。
まとめ:縁起と実利をうまく組み合わせたスタートを
店舗開業の日取りをどうするか悩むとき、六曜をチェックして大安を選べば「縁起が良い」と安心感を得られます。何より大安開業というだけで、周囲から好意的な注目を集めやすい点は大きなメリットでしょう。一方で、仏滅や友引、先負、赤口でも「うまく縁起を担ぎ直す」考え方や、実務的なメリットを活かすやり方はいくらでも存在します。
店舗開業は、多くの人にとって人生の新たなスタートラインです。大安を選ぶか、それとも別の日に開くか。迷ったときは、自分にとって何が最優先事項なのかを明確にしましょう。六曜による縁起担ぎを重視するのか、ビジネス戦略やスケジュールを優先するのか。それを判断するうえで、周りに流されるのではなく、自分の店のターゲットや将来のビジョンに目を向けて決めることが肝心です。
大安でスタートすれば「めでたい」という強みが生まれるし、仏滅や赤口を選んだとしても逆手に取り「ここが始まり、ここから繁盛へ向かう」というストーリーが作れるかもしれません。最終的にどの日を採用しても、オーナー自身がその決断に納得し、心から祝福できるなら、それこそが本当の「縁起の良い開店日」といえるのではないでしょうか。店舗開業での六曜をうまく取り入れつつ、実利も大切にすることで、素晴らしい門出を迎えてみてください。
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